こんにちは。
イタリア語会話リスニング教材「Ascoltiamo in italiano」の作者フィオレンツァです。
私は、日本人生徒に30年以上前からイタリア語をお教えしています。
それは、私が20歳の時に東京で日本語を勉強し始めると同時にイタリア語を教え始めた時からでした。
私は外国人向けの日本語学校で日本語を勉強していましたが、その後、4年大学に入学し、漢字の読み書きも含め、日本人と同じように日本語で勉強するようになったのです。
私は、学生であると同時に、イタリア語の講師でもありました。
私が漢字を習う時に相当苦しんだことは忘れることのできない思い出ですが、私の生徒さんがイタリア語の文法を習っている苦しさを見ると、まるで昔の苦しんでいた自分を見ているかのようです。
それで、生徒さんがイタリア語の難しさの壁にぶつかって苦しんでいるのを見ると、心の底から何としても助けてあげたいと思う気持ちが芽生えてくるのでした。
長い間、難しい文法を理解できないでいた生徒さんが私の説明で理解できた時などは生徒さんの表情も明るくなり、感謝のお言葉をいただくことも度々で、その時が最もうれしい瞬間でした。
私の教え方についての評判が次第に口コミなどで広がり、生徒さんも徐々に増え始めた頃、宮城学院女子大学のイタリア語の非常勤講師としての要請があり、大学でもイタリア語を教えるようになりました。
私は、東京でのイタリア語講師をメインとした日常的な暮らしに満足していたので、この生活が一生続いても良いとさえ思ったほどでした。しかし、先にある運命は読めるはずもなく、突如、緊急な出来事が起こり、イタリアへ帰らなければならなくなり、従って、日本人である主人も会社を辞めてイタリア行きを決めたのでした。振り返ってみると、精神的に落ち込んだ時でもありましたが、良い意味では人間として成長した時期であったとも言えます。日々、日本人と接することで、日本人から多くのものを授かり、私自信が精神的にも大きく成長し、日本が大好きになっていったのです。イタリアに帰国する前、ただ一つだけ自分に誓いました。その誓いとは、ひたすら日本と日本人に感謝し続けると言うことです。そして、同時に、日本とのつながりを持ち続け、いつかきっと、日本人へ何か恩返しが実現できる日を夢見るようになったのでした。
イタリアに渡った私たちは不安だらけでしたが、イタリアに着くと直ぐにその不安は払拭されました。
それは、以前、イタリア企業に送っていた主人の履歴書のスキルが評価され、イタリアに着くと直ぐに、工業デザイナーとしての仕事が見つかったことです。会社がジェノバ郊外にあったので、そこで、私は子育てをしながら数年を過ごしました。もちろん、私は、街での生活をしながらも、常に日本人へ恩返しをする夢を心の中に持ち続けていました。
子供の成長する環境を考えて、ある日、大きな決断をしました。それは、成長する子供たちにトスカーナの田舎の環境を与えられたら、なんて素晴らしいことかと考え、仕事を捨てて、新天地トスカーナで広い敷地のマイホームを持ちながら、必要となる糧の半分を自給自足し、もう半分は、新しく自分たちで何か仕事をして補っていくスタイルの田舎生活を確立していくと言う決断でした。
そこで、主人は、私の仕事用のサイト作りを始めたのです。オンラインで私がイタリア語を教えることが出来るサイトを公開すると間もなく、最初の日本人の生徒さんがお申込みをされたのです。
日本から離れた時、大好きだったイタリア語を教える仕事はもう戻っては来ないと諦めていただけに、1万キロも離れた日本と繋がって、以前のように、日本人にイタリア語を教えることが決まった瞬間、どんなに感激したかは言葉にならないほど嬉しく、喜びだけが心から込み上げてくるのでした
前のように日本との繋がりを持ち、日本人にイタリア語を教えることが実現したのでした。
Google等、全ての検索サイトで「スカイプイタリア語」をインプットしての検索結果が第一位に表示されるようになると、次々と生徒さんのお申込みが増え始めたのです。また、お申込みが増え続けるだけではなく、最初にお申し込みされた生徒さんをはじめ、多くの生徒さんが何年も習い続けられていることも本当に嬉しいことです。ただ、これだけで満足していてはならないと思い、更に、私の直接の生徒さん以外の方をも視野に入れ、より多くのイタリア語独学者の方もイタリア語が上達されるようになればなんて素晴らしいことかと思い、深く考え始めました。オンライン講座の他に、イタリア語学習ツールで最も必要とされるものは何かと考え、私のイタリア語講師としての長年の経験の中で把握したことの一つに、「多くの日本人生徒は聴き取り力が弱い!」と懸念していたことがあり、それでは、聴き取り力を強化する教材を作ったらどうかと思ったのです。
まず、私がイタリア語を教え始めた当時も、何かイタリア語の教材を作りたいと漠然と考えていましたが、忙しい日々の中でなかなか教材作りを考える余裕も無く、また、私のテキストを作る知識も不足していたこともあり、長年、イタリア語を教え続けるだけの日々が続いたのでした。
その間、数えきれないくらいの多くの私の生徒さんがイタリア語検定試験にチャレンジしましたが、合格できなかった生徒さんの多くがリスニングで落とされていたのも事実でした。
英語と比べて、イタリア語はリスニング教材が極端に少ないと生徒さんは嘆いていたことも気になりました。
このようなことから、生徒さんにとって最も必要な教材とは、リスニングを強化する教材であると確信したのでした。
ただ、私は、一度も、教材を作ったことが無く、作れるかどうか分かりませんでした。
以前、インターネットの情報で、語学書などの教材作りを始める人は沢山いるが、最終的に完成させれるのは一握りの人だけであるとの記事を読んだことがあり、例え、私が作り始めても、教材が完成できるかどうかの不安があったのです。しかし、毎年、実施されるイタリア語検定試験において、毎回、多くの方が不合格になることを考えた時、ここで私が立ち上がらなければと決意し、2015年3月に教材のテキストを書き始めました。
始めは、ゆっくりとしたペースで始まりました。まるで映画のストーリーのように、次第に私の頭の中で、リスニング本文の主人公が現れ始め、自分が教材作りの世界に閉じこもった状態で書き続けたのです。そして、トスカーナの大自然の中に包まれた環境であったことが、より集中して書くことに専念できたのだと思います。
テキストのみを書き終えるのに5か月かかりましたが、書き終えた時は、私の人生の中での大きなステップアップを成し遂げたと言う感じがしました。
テキストを何度も見直した後は、リスニング教材の収録です。プロ用のマイクも準備し、必要なソフトも全て揃え、収録の為に一室をスタジオ化することで、音声の高品質化を意識し、レベルの高い教材を完成させることが出来たのでした。
本リスニング教材がイタリア語学習者のお役に立てれば光栄ですし、日本人への私の恩返しの一つにしたいと思います。